ニホンジカ食害対策



忌避剤散布で検証

ニホンジカによる草木植物の食害対策で、長野県は諏訪市郊外の霧ヶ峰・蛙原に試験区を設け、樹木保護に用いられているシカ忌避剤をニッコウキスゲに散布して効果検証を始めるという。

忌避剤は、樹木用としてすでに農薬登録を受けており、卵から作った粉末など成分は全て天然素材で、人体・環境、何より動物に及ぼす影響は少ない。         


霧ヶ峰の取り組み 

観光資源でもあるニッコウキスゲや、貴重な草原・湿原環境を守ろうと、霧ヶ峰には総延長14キロ余りの防護柵が設置されているが、設置と維持管理にかかる労力や費用が大きいといった課題がある。実用化できれば省力・低コストにつながり、景観を損ねない対策として期待されている。

   

蛙原(げえろっぱら)試験区

諏訪市小和田牧野農協が所有するニッコウキスゲ生息地の一角を借り、6月中旬〜8月下旬の花期に行う。450平方メートルの試験区に散布区、何も施さない対照区を設定。忌避効果は約3か月間持続するとされるが、今回は2週間に一回のペースで散布して効果を見極めるという。